
「電験三種って、工場勤務で働きながら取れるの?」
そう思っている方は多いと思います。電験三種は合格率10%前後の難関資格。しかも交替勤務・夜勤がある工場勤務の中で勉強時間を確保するのは、想像以上に大変です。
私は半導体工場に勤務しながら、約6ヶ月の勉強期間で電験三種を一発合格しました。
使ったのはテキスト・過去問・YouTubeの解説動画の3つだけ。最初は「理論だけ合格できれば」という気持ちで始めましたが、進めるうちに全科目の勉強を並行できるようになり、結果的に全科目70〜85点で一発合格できました。
この記事では、その経験をもとに工場勤務しながら電験三種に合格するための勉強法を具体的にまとめます。
📌 この記事を書いた人 半導体工場に勤務する30代。装置保全グループ現場監督職。電験三種・第一種電気工事士・電気系機械保全技能士1級など保有。現場のリアルをそのまま発信しています。
電験三種を工場勤務しながら取るのは現実的か?
電験三種(第三種電気主任技術者)は、理論・電力・機械・法規の4科目に合格する必要があります。合格率は例年10%前後で、国家資格の中でもかなり難しい部類に入ります。
ただし、科目合格制度があります。一度の試験で4科目すべてに合格しなくても、合格した科目は3年間有効です。つまり、3年以内に残りの科目を取り切れば合格となります。
この制度のおかげで、働きながらでも「今年は理論と法規、来年は電力と機械」という形で計画的に進めることができます。
工場勤務でも合格できる理由
工場勤務、特に設備保全や電気系の仕事をしている方には、電験三種の勉強で有利な点があります。
- 現場で使っている電気知識がそのまま活きる:変圧器・モーター・電気回路の知識は、保全の仕事で日常的に触れているもの
- 試験の「電力」「機械」科目は現場経験者に有利:机上の理論だけでなく、実際の機器を知っているとイメージしやすい
- 「なぜ取るか」が明確:資格手当・キャリアアップという具体的な目的があると勉強が続きやすい
私自身、保全の仕事をしていたので電気系の基礎知識はある程度ありました。ゼロからのスタートではなかったことも、6ヶ月での合格につながったと思います。
私が実際に行った勉強法【テキスト+過去問+YouTube】
3つのツールだけで合格できた
私が使ったのは以下の3つだけです。通信講座や高額なスクールは使っていません。
①テキスト(参考書) まず1種類のテキストを選び、科目ごとに一通り読み込んで基礎を固めました。電験三種のテキストは種類が多いですが、図解が多くて読みやすいものを選ぶのがポイントです。しっかり理解しながらテキストを進めようとすると全然進みません。最初から完璧に理解しようとせず、「一周読んで全体像をつかむ」ことを意識しました。
②過去問 テキストで基礎を固めたあと、勉強の軸を「過去問の繰り返し」に切り替えました。電験三種は出題傾向が比較的安定しており、過去問をしっかり解けるようになることが合格への最短ルートです。
私が実践した過去問の使い方はシンプルです。
- まず解いてみる(答えが分からなくても気にしない)
- 解説を読んで理解する(なぜその答えになるかを理解する)
- 同じ問題を翌日もう一度解く(定着確認)
- 間違えた問題だけを繰り返す(苦手を潰す)
「全問正解できるまで新しい問題に進まない」より、「一通り解いて繰り返す」方が記憶の定着が早いです。
③YouTubeの解説動画 テキストや過去問の解説を読んでも理解できない部分は、YouTubeの解説動画を活用しました。電験三種はYouTubeに質の高い解説動画が多く、無料で使えるのが大きなメリットです。
特に計算問題は、動画で解説を聞いたり実際に解いているところを見ることで理解が早まりました。テキストと動画を組み合わせることで、独学でも十分に理解を深めることができました。
実際の勉強の進め方【6ヶ月の流れ】

勉強を始めたとき、正直なところ「6ヶ月かけて理論1科目だけ合格できれば十分」と思っていました。電験三種は4科目あり、いきなり全部は無理だろうと感じていたからです。
ところが、実際に理論の勉強を進めてみると2ヶ月ほどで範囲が一通り終わりました。もちろん合格レベルという訳ではありませんが、「思ったより早く終わったな。時間が余りそうだ」と感じたので、次の科目を何にするか考えました。事前に調べると「機械が最難関」という情報が多かったため、いきなり機械に入るより電力で勉強の感覚をつかんでから機械に臨む方がいいと判断し、電力→機械→法規の順で進めることにしました。
科目ごとの進め方
1〜2ヶ月目:理論 テキストで一通り読み込み、過去問に取り組みました。計算問題が多いので、公式を丸暗記するのではなく「なぜその式になるか」を意識して理解するようにしました。YouTubeの解説動画が特に役立ったのもこの科目です。2ヶ月ほどで範囲が一通り終わり、「思ったより時間が余る」と感じました。
3ヶ月目:電力+理論の過去問を並行 理論が終わった後、機械が難しいという事前情報があったため(というかテキストの分厚さからして機械はやばいです)、まず電力で勉強の感覚をつかむことにしました。電力のインプットと並行して、理論の過去問演習も継続しました。この時点でも今回は理論と電力の2科目合格出来ればいいなぁと考えていました。
4ヶ月目:機械+電力・理論の過去問を並行 電力の範囲が終わったタイミングで機械の勉強に入りました。機械は変圧器・モーター・パワーエレクトロニクスなど範囲が広く、確かに難しい科目でした。正直捨てれるところは捨てて、過去問を見て頻出している問題に力を入れました。照明や自動制御などは仕上げないまま試験に挑みましたがしっかり出題されまてしまいました・・・笑。電力・理論の過去問も並行して継続しました。
5ヶ月目:法規+全科目の過去問 法規は暗記中心の科目です。条文の内容を覚える必要があるため、過去問を繰り返して「よく出るパターン」を頭に入れることに集中しました。この時期は理論・電力・機械の過去問も並行して回し続け、知識の維持に努めました。
6ヶ月目:総復習と模擬試験 試験1ヶ月前は新しいことをインプットするより、苦手な部分の復習と過去問の総仕上げに集中しました。全科目合格レベルに達していたとは思いませんでしたが、理論と電力は自信有り、機械と法規は問題次第でギリギリかなという仕上がりでした。
1日の勉強時間
平日・休日ともに1日1〜2時間を目安にしていました。隙間時間でYoutubeの問題解説動画や過去問の解説を見たりしていたので実際はもう少し勉強しています。
夜勤明けの日は無理をせず休む。疲れた状態で勉強しても定着しにくいため、思い切って休息に充てる判断も大切です。毎日完璧にやろうとするより、「休む日は思い切って休む」くらいの感覚の方が長続きしました。
最初から1科目か2科目合格出来ればいいやという心理的な余裕もいい結果に繋がったのかもしれません。
試験の結果と手応え
正直なところ、試験当日は「全科目いけるかな」という確信はありませんでした。特に法規は暗記が追いついているか不安でした。
結果は全科目70〜85点で合格。
合格点は各科目60点なので、余裕をもって合格できた科目もあれば、ギリギリ感もあった科目もあります。ただ、「自信がなかった」割には安定した点数が取れたと感じています。
これは、過去問の繰り返しで「出題パターンへの慣れ」が身についていたことが大きかったと思います。
電験三種に合格して変わったこと
会社によっては電験三種に資格手当がつくケースもありますが、私の職場では直接的な手当はありませんでした。
ただ、現場での扱いは明らかに変わりました。
半導体工場の現場側は高卒・短大卒の方が多く、電験三種のような難関資格を持っている人はほとんどいません。そのため、取得したことで「電気のことはあの人に聞こう」という流れが自然にできてきました。資格手当がなくても、現場内で一目おかれる存在になれるというのは、目に見えにくいですが確実なメリットです。
昇進やキャリアアップを考えている方にとっては、周囲との差別化という意味でも取っておいて損はない資格です。
電験三種の勉強を通じて「働きながら資格を取る」ことへの自信がつきました。
電験三種の勉強でつまずきやすいポイントと対策
電験三種で最初に壁にぶつかるのが「数学」の知識です。工業高校卒の私にとって、電験三種の試験で出題されるレベルの数学的な学力が足りていませんでした。
対策:理論の勉強の際は電験三種で使用する数学の勉強から始めました。一見遠回りですが間違いなくやって良かったと思います。
勉強のモチベーションが続かない
数ヶ月という長い期間、モチベーションを保つのは簡単ではありません。
対策:「今月は理論を終わらせる」など短期目標を決めて、達成したら次に進む。私の場合は「理論が2ヶ月で終わった」という小さな成功体験が、残りの科目への意欲につながりました。
試験当日の時間配分を間違える
電験三種は問題数が多く、時間が足りなくなるケースがあります。
対策:パッと見で解法がわからない問題は飛ばした方がいいです。実際試験を受けてみるとそこまで余裕はありませんでした。確実に取れる問題から解くことを徹底しましょう。
電験三種取得を目指す方におすすめの勉強ツール
実際に私が使ったわけではありませんが、スキマ時間学習に特化した通信講座も選択肢のひとつです。テキストや過去問だけで勉強が進められるか不安な方は、カリキュラムが整った通信講座から始める方法もあります。
まとめ
電験三種は難関資格ですが、工場勤務しながらでも合格できます。
✅ テキスト・過去問・YouTubeの3つだけで合格できる
✅ 最初は1科目のつもりでも、進めてみると意外と時間が余ることがある
✅ 理論→電力→機械→法規の順がとっつきやすかった。
✅ 1日1〜2時間・平日と休日コツコツが現実的な勉強スタイル
✅ 手当がなくても、現場で一目おかれる存在になれる
「自信がなくても受けてみる」という姿勢が大切です。私自身、試験当日まで全科目合格できる確信はありませんでしたが、結果的に一発合格できました。まずは勉強を始めてみることが一番の近道です。
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